いよいよ厳冬期となってきました。
この時期から始まるパワーミドスト。
ボトム水温が低下する一方で、暖かい日差しがやってくるとバスは中層に浮いてきます。
ボトムにシンカーを付ける釣りだけではキャッチできずに、中層を漂わすことによってキャッチできる釣りこそがミドストです。古くは名古屋釣法と呼ばれていたように琵琶湖には古くからある釣りですが、ミドストというネーミングになってから一般的になりました。
使うワームサイズが3インチ、4インチの場合には、ワイルドサイドWSS64ULが当初からあったのでミドストをするには困らかなったのですが、5インチ、6インチの場合にはワームの自重があるので、ロッドが負けている印象が強く、フッキング、キャスト時において完璧ではないと常々感じていました。
もちろん、このことは長年抱えてきた問題だったのですが、琵琶湖だけに、5インチ、6インチのシャッドタイプのスティックベイトを投げるだけに開発して、販売してペイするかと言えば、なかなか私もレジットデザインに作って欲しいとは言い切れませんでした。
しかし、5インチ、6インチのスティックベイトでのミドストが多くの方が実践するようになり、その釣果が注目されるようになったここ数年は、ワイルドサイドを使う方からも、同様の不満や開発への要望が高まり、ようやく、開発、販売へと至ることになりました。これが「パワーミドスト」と称するロッドの誕生のストーリーです。
市場があるから、作ることが出来たのです。
ミドストロッドに関しては、前職時代から定評のある開発の鬼形氏だけに、下手なものを出すことはなく、数々のワームとジグヘッドを組み合わせながら、パワーミドストの最適解を見つけるテストを繰り返してきました。
特に注意したのが、「適度な振れ」と「フッキングパワー」の両立でした
パラボリックに曲がるミドスト専用ロッドは、適度に振れないと長時間の糸ふけを出したシェイクが困難です。1時間以内とか10分ぐらいなら、どんなロッドでも無理をすれば出来ますが、一日を通じて無意識に糸ふけをだしたラインスラックのあるミドストをするとなると、ボヨンボヨンとしたロッドが求められます。
一方、5インチ、6インチのスティックベイトの重量はそれなりにあるので、フッキング時にはある程度、ロッドの芯が残ったトルクが求められます。単純に柔らかいだけだと、いくらPEラインを使ったミドストと言えどもこの時期の3キロ、4キロといったサイズの口にはフックが掛かりきりません。
私もWSSST61ULで一度試してみたのですが、「振れ」はピッタリでも、フッキングが決まらずに一昨年の1月、2月にことごとくロクマルクラスをバラシて、開発に一気に火が付きました。
それから、ある程度のプロトにたどり着いてきたら、4キロサイズをキャッチできるようになりました。
ようやく発売となったので、時期と場所をお伝えしておきます。
まず、時期は12月から5月ぐらいまで、最盛期は12月から4月です。
低水温の時期の方がミドストでしか釣れないバスが多くなります。
それはボトムに冷たい水が溜まるから。
場所は、外ヶ浜、下物、木浜、ディープホール南から瀬田川の浚渫の中層やボトムからやや浮かした場所。
または、新芽の生えてきやすい名鉄、アクティバ沖、赤野井沖、カネカ沖、自衛隊沖などの4mライン。
特にパッチ状に残るウィードがあれば、強烈な展開となるでしょう。
タックルは、このワイルドサイドWSS67LplusにPE0.8号もしくは0.6号ですが、沈むPEのオードラゴンなら0.8号で無理に細くしない方が良いでしょう。沈むPEは太くても風の抵抗を受けにくいので捌きがしやすいからなのと、素材に混ぜているモノがあるのでFGノットとかで接続が若干弱くなるからです。普通の素材のPEなら0.6号まで下げてディープでの操作性を上げる方が良いでしょう。
リーダーは6ポンドならドラグをかなり使って慎重に、8ポンドならそれなりにグイグイを引っ張りあげるPEならではのランディングが出来るでしょう。
これからの冬季から早春にかけては、この「パワーミドスト」と、今までの定番だった「スイミングジグ」の二刀流です。パワーミドストは食わせの釣り、スイミングジグはエリアを流す展開に使います。これにピンスポットのノーシンカー、メタルバイブを加えたり、濁りが入ればバイブレーションを入れると、真冬から早春の釣りが完成するでしょう。
「寒いからこそ出来る釣りがある。」
桜が咲いてしまうと、楽しいパターンが終わってしまいます。冬から早春の釣りを楽しみませんか?