読書の秋

2007-09-20 23:42:00 前の画面へ戻る

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『「環境問題はなぜウソがまかり通るのか2」武田邦彦著=洋泉社=』を読了。

 環境問題を裏側から考察するベストセラー。著者は環境問題といえば反対できない社会的風潮、一世を風靡するエコブームに対して一石を投じる。

 前半では地球温暖化対策のために行われた「京都議定書」の政治的意図を著者なりに分かりやすく解説。欧米社会、ロシア、日本の立場から京都議定書に含まれる日本政府の政治的敗北を指摘し、いかに欧米が外交においてしたたかで、環境問題においても政治問題として上手く切り抜けているかについて考えされられる。

 また、バイオ燃料においても同様に、環境問題を手段として、そこに隠される各国のエネルギー戦略について考察しており、環境問題=政治問題、そして国家戦略であると指摘しており、戦前国際社会と同様に日本政府の国際的戦略の不備、脆弱性について指摘する。
 
 一方、後半部分では環境問題特有の「錦の御旗」と化している反対できない風潮に対して、鋭く指摘し、ペットボトルのリサイクル、ゴミ袋有料化など無駄の多い感情的、ヒステリックな環境保護の矛盾や政治的利権についても指摘している。

 いずれの指摘も、環境問題について普段感じる胡散臭さを、一気に解決してくれる点は非常に納得で痛快。その反面、すべて筆者の指摘通りなのかは疑問が残るところもあるように思うのと、文章が若干学者論文的な点が読みづらくしているように感じる。
 
 本書を読みながら、総裁選のニュースを見ていると、「日本政府は今後、環境問題を政治的道具として、国際社会で優位に立てるだけのしたたかさはあるのだろうか?」という不安を抱かされる。

 最終章は筆者と外来種問題に世間と反対意見を述べる池田清彦氏との対談。

 バスフィッシングに関わる者から見れば、外来種問題、ブラックバス問題についての本質について頷く部分も多く、バス問題に止まらず共感を得る部分は多い。少なくとも、バスフィッシングに関わり、ブラックバス問題について考えた人にとっては、「環境問題=政治的問題」という点にはほぼ異論はないだろう。ただ、世の中の大半の人がこれに同意するとは思えないが・・・。そう思うと、やはり環境問題は感情的問題でもあると私は思う。

 

テーマ:雑記帳

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